異常発見時の対応

高齢者が大多数を占める介護現場では、何らかの疾患を抱えている利用者が珍しくありません。そのため介護職員の仕事では、日頃から利用者を注意深く見守り、少しでも異常を発見したら、速やかに対応することが求められます。

もし介護職員に知識や経験あるいは情報共有が十分でないと、万が一の際にも慌ててしまい、利用者への対応が手遅れになって、深刻な事態を招きかねません。このような問題を回避するには、次の点を一つひとつクリアしていくしかないでしょう。

まず介護現場にいる職員全てに、異常発見時の基本的な介助方法を学ばせることです。例えば心身の安静を確保することも、その1つ。心身に対する不安や痛みあるいは騒音といった刺激をできるだけ取り除くだけでも、利用者の症状を緩和することに役立ちます。利用者を静かな部屋で楽な呼吸のできる、圧迫感のない状態にして休ませ、それでも改善が見られないようならば、速やかに医療職へ連絡しましょう。

異常発見時のスムーズな対応を実現するには、普段からそのための環境整備をしておくことも大事。例えば居住スペースでは室温や湿度をはじめ、騒音や照明あるいは換気などに配慮し、寒暖差の大きい季節への対応も万全にします。さらに食事も栄養バランスに優れた、栄養価の高いメニューを心がけ、心身の弱った利用者の体力低下を防ぎます。

利用者の異常発見時に的確かつ迅速に対応するには、日頃から高齢者がかかりやすい疾患について学んでおくことも大切です。そしてもし疑問や不安な点があれば、速やかに医療の専門職に問い合わせる姿勢も求められます。その前提として、日頃から医療職との連携を深めておくことも、忘れてはなりません。